いざ起業や独立をしようと思っても、初めての起業だと具体的にどうすればいいのかわからず不安ですよね。私が起業したときは、わけもわからず勢いで起業してしまった為、やることも順序もめちゃくちゃで大変な思いをしました。事前になんとなくでも頭にやることや順序が入っていれば余計な苦労も少なく起業できたと思います。
今回解説する内容は、形だけの会社を作る方法ではありません。会社として事業主として将来の成功を視野に入れた具体的方法です。しっかりと実践すれば、あなたの不安は晴れ、勇気ある一歩を踏み出せることでしょう。
Contents
起業方法と手順
企業理由やビジョン・ミッションが大切なのはご理解いただけましたでしょうか。では実際にそれらの理由や想いを現実のものとするにはどうすればいいのでしょうか?具体的に順を追って解説します。
(1)起業動機・ビジョンを明確にする
まず、起業動機やビジョンを明確にしましょう。これらを決めることによって、起業後に役立つ様々なメリットを得ることができます。
メリット1.勢いだけではない『覚悟』の起業ができる
起業動機やビジョンを明確に決めることにより、起業に対する『覚悟』を固めることができます。割と多くの方が、覚悟を決めたつもりになって起業に踏み切るので困難があると耐えきれずに諦めてしまいますが、覚悟がしっかりと固まっていると様々な困難に対して踏ん張ることができます。
「○○がきっかけで起業を意識し、△△な理由・想いがあって起業しました」という形で人に胸を張って答えられるくらい起業動機やビジョンを明確にしておくと『覚悟』が自分の中に芽生え、成功率が大幅に上がる起業になります。
メリット2.リスクや不安を乗り越えることができる
起業する前は、
・毎月収入を得ることができるだろうか?
・将来も変わらず生活できるだろうか?
・失敗するかもしれない。
などのリスクや不安が必ずつきまといます。しかしそれらは起業前よりも起業した後の方が大きく重くのしかかってくると言えるでしょう。そんなときこれといった動機もビジョンもなく起業をしてしまうと精神が不安に勝てず途中で折れてしまい成功どころではなくなります。
しかし、起業する際に固まった動機やビジョン、そしてそれに伴う『覚悟』があると人は強くなり、多少のリスクや不安にも負けずに壁を乗り越え進むことができるようになるのです。いわば起業理由は『あなたの起業人生を支える大きな柱』。目に見えない部分なので多くの方がおろそかにしがちですが、実は非常に大切なものなのです。
(2)ビジネスアイデアを書き出す
起業動機やビジョンが明確になったら、それらを元にビジネスアイデアを考え、どんなことでもいいので紙に書き出してみましょう。頭で考えるだけでは、上手くまとまらずモヤモヤするだけになってしまいます。紙に書き出し目に見える形にすることによって記録に残るだけではなく、客観的な視点からアイデアをみることができます。
ビジネスアイデアの考え方
ビジネスアイデアの考え方にはたくさんの方法がありますので、今回は比較的思いつきやすい考え方をご紹介します。
すでに存在するビジネスアイデアの真似をする
独自のビジネスアイデアが思いつかない場合は、すでに存在するビジネスアイデアの真似をするというのも一つの手段です。むしろ、すでに存在するものを真似したほうが、新しく自分で考えたビジネスアイデアよりも結果が出やすい傾向にあります。
複数のビジネスアイデアを混ぜる
すでに存在するビジネスアイデアを混ぜることによって新しい独自のアイデアを作ることができます。この場合、全く関連性のなさそうなアイデア同士を混ぜると、より面白いアイデアが出来上がります。
自分の特技を活かす
自分が他人よりも優れていると思う技術や知識でビジネスを作ることもできます。他よりも優れているのであれば周囲からも求められる可能性が高くなります。
(3)ニーズの調査
ビジネスアイデアを思いついたら、そのアイデアにニーズがあるのかを調査しましょう。どんなに面白いアイデアでもお客様に求められていなければ意味がありません。主観で何を提供したいのかではく、何が求められているかという客観的視点からニーズ調査をしましょう。
ニーズ調査のやり方
ニーズ調査は、自分以外の人に自分が作ったサービスやモノを使ってもらう、または意見をもらうというのが基本になります。これもさまざまな手段があるので比較的取り組みやすいものをご紹介します。
友人やその他周囲の人に使用してもらう
周りに頼める人間がいるのであれば、試しに作ったプロトタイプのサービスや製品を使ってもらい意見をもらいましょう。始めは厳しい意見が多いかもしれませんが、サービスやモノの悪い箇所などを指摘してもらえ、それを起業前に改善することができれば起業後に売れる可能性が格段にあがります。他人に意見をもらうニーズ調査にまさるものはありません。
意見収集は書面でのアンケートをおすすめします。本人の前では言いづらいこともアンケートなら書きやすいですし、なおかつデータが残るので後々見直すことが可能です。言葉で聞くだけでは、脳が勝手に自分の都合のいいように解釈しがちで悪い意見を取り込みづらくなり、それでは調査の意味がありません。
モニター募集をかけてみる
まわりに気軽に頼める人がいないのであれば、モニターになってくれる人を広い範囲から募りましょう。有料でモニター募集の広告をだすと効率よく募集できますが、起業前はできるだけコストはなるべくかけたくないもの。そのような時は無料のSNSを上手に活用しましょう。呼びかければ意外と協力してくれる方々はいます。
ニーズ調査の注意点
適切な調査・質問項目を作成する
ニーズ調査をし、最終的に意見を記入していただく場合、設定した調査項目や質問項目により得られる結果が大きく変わってきます。調査項目が不適切だった場合、調査する意味がなくなるので注意が必要です。
(4)競合リサーチ
ニーズ調査と併せて行っていただきたいのが競合リサーチです。自分がこれから進出する市場には、どんなライバルがいるのかを知っておくのはとても大切なことです。すでに存在しているライバルは言い換えれば『先駆者』です。ビジネスアイデアをさらに磨き上げるためにもインターネットや現地調査などを行い競合リサーチはしっかりと行いましょう。
(5)ビジネスモデルの作成・検証
ビジネスモデルとは、「稼ぐ仕組み」のことです。一番身近な例を挙げるならば「物販」です。これはモノを作って(または仕入れて)お客様に販売すると、その対価としてお金がもらえます。これもれっきとしたビジネスモデルの一つです。モノを売るなら単純ですが、これが目に見えないサービスになってくると、どこでお客様からお金をもらおうかが複雑になってきます。
基本的なビジネスモデル
ビジネスモデルを明確にしておかないと事業を継続することができないので決めて、さらにそれを検証し実現できるか確認をしましょう。
失敗しにくいビジネスモデルの考え方
起業家の多くは資金に余裕がない状態で起業し、使用できる資金と時間に厳しい制限があります。資金が十分にあれば余裕を持った起業ができるのですが現実的にはそうはいきません。ただ資金がないから失敗するかというのも違います。以下の点を含めたビジネスモデルを考えることができれば失敗しづらい起業が可能になります。
- 少資本で始められる。
- 在庫を抱えない。
- 利益率が高い。
- 外注しなくても成り立つ。
- 単発ではなく一定期間以上継続的に収入を得られる。
これらを抑えたビジネスモデルならリスクも少なく継続がしやすくなります。
(6)事業目標と収支計画の設定
事業目標とは、「向こう3年で利益を○○円にする」や「起業初年度○月までに、サービスのプロトタイプ(試作品)を完成させる」などの途中目標計画です。それに伴い大まかな収支計画も立てておきましょう。どのタイミングでいくらくらいの資金が必要なのかなどの計画を余裕もってあらかじめ立てておけば、資金が足りなくなって事業が行き詰まるということを防げます。
これらの計画は、予測するという点でも役立ちますが、事業の進捗状況の管理などにも非常に役立ってくれます。
(7)必要な人材と資金の調達
これらの準備や計画ができたら、それに伴う必要な人材や資金を調達します。人材については、すでに自身で持っている人脈を活用するか、人脈がなければビジネス交流会などに積極的に参加し募りましょう。資金については創業支援などを行っている行政機関や、日本政策金融公庫などに話をもちかけて調達するのがおすすめです。
これらが起業を実現させるための流れとなります。起業後は予想していなかった出費や、周囲からの意見をもらうことばかりです。できるだけ万全な計画を立てて臨みましょう。
自分に素直になるのが起業成功のポイント
以上たくさんの準備を解説しましたが、どれも楽しんで行ってください。楽しんで行えないといことは義務感で起業の道を進もうとしている可能性があります。義務感で起業をしてしまうと継続がしづらくなるので、いかに自分に素直になって起業するかが成功のポイントです。
楽しんでここまでしっかりと準備ができていれば自信を持って大丈夫です。どんなに準備をしても起業人生を歩む上で障壁はかならず立ちはだかりますが、楽しんで取り組めばどんな困難でも乗り越えられます。自分を信じて前に進みましょう。
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